「恐ろしい」独り事…関係史とは「ネットワーク論」

グループで検討していると、人脈の話になる。
良くも悪くも歴史は、人と人の繋がりで構築されているので、当たり前の話なのだが。

この検討報告の中で、散々登場する単語…
「ネットワーク」…
これ、今迄の研究での落とし穴なのでしょう。
基本的に、現状の研究は、横の繋がりに薄いので、例えば「キリシタンネットワーク」と「友子制度」が同一のものであろう…こんな考えは持っていない様だ。
研究グループ内では、江戸初期を調べるかとなって、フィールドワーク一撃目で既に「これって同じじゃね?」と言う仮説に至っていた。

実はそれだけではない。
それより前は「寺社ネットワーク」があったであろう。
勿論、武将らの政略結婚らによる「武家ネットワーク」もある。
それらは全く別のネットワークなのか?
…「否」…

同じものです。
神職らを支えていたのは武家だったり、寺の改修を檀家である商人がやったり、武家が商人に借金したり…
経済の繋がりがある限り、無限に接続されていく。単にどの人脈で情報を掴むか?利用するか?どのパイプが太いのか?
その違いだけ。

そう考えると、印象は変わってくるハズ。
キリシタンネットワーク」と言っても、繋がりある武家や商人や職人のネットワークなのだから、その時々で変遷していって当然なのだ。

少々恐ろしい事を書こう。
武家ネットワーク」がある…
キリシタン武将が参加し、「キリシタンネットワーク」に変遷する…
禁教令で「職人ネットワーク(友子制度)」「商人ネットワーク」「医者ネットワーク」に変遷する…
医者に蘭学者が居れば「蘭学者ネットワーク」に変遷する…
切れる事はない。

キリシタンネットワークは、「スペイン,ポルトガルネットワーク」…
なら、オランダが使えば?
蘭学者ネットワーク」と接続されていく。
つまり、禁教令だろうが鎖国しようが、「キリシタンネットワーク」は切れないで変遷する事になる。
ネットワークは親和性の高い所から繋がっていきますからね…
日本の情報が駄々漏れしていたのは、昨今NHKの番組なんかで随分放送されている。
我々にしてみれば、「また繋がったか(笑)」と高笑いになる。

外洋船さえ持てば、また外洋船を持つ者を手を組めば、割と好き勝手出来る訳です、蝦夷地を利用すれば…
そう言えば…
江戸中期に蘭学者達は海外勢力の到来を警告していた。
それ、オランダからの情報だけ?
なら、オランダは出島だけではなく、蝦夷地にも行っていた事になりませんか?
それら情報を持つ蘭学者を支援していたのは幕府?
いや、林子平なんかは、幕府に捕まってますから、違う藩だって事になる。
それ、何処の藩?

関係史とは、情報源の人脈=ネットワークを追う事。

キリシタンネットワークは切れません。
親和性の高いネットワークに変遷しただけ。
いずれ、共通点が出ればそちらの人脈で太くなっていくだけの事。
海外の研究で、海外との「ネットワーク」が見えてきた現代なら、隠された「ネットワーク」が改めて探し出せる…かも。

それ見つけられたら、北海道どころか日本史のアップデートが必要になりますね…

故に、「キリシタンネットワーク」が突拍子もないと考えるだけで、視野を狭くしているだけ。
そうでは…ありませんか?