「生きていた証10あとがき…料理はscience

「竈」に徹底的に拘る…これ、当然の事。

ちょっと科学の目で見てみよう。
こと、石の「竈」が最も解り易いだろう。

まずは竈に、米と水を入れた羽釜をかける。

竈に火を焚く。この時、羽釜には一気に熱はかからない。何故なら竈は閉鎖されており、内部温度を上げる事にエネルギーは使われる。

後に、内部温度上昇と共に、閉鎖された炉内では一気に温度が上がり出す。
当然蒸気は上がるが、厚い木の蓋は、一定圧を保つ事になる。

火が落ちる。当然熱はかからなくなるが、石の竈はそのまま保温してくれる。

つまり、「初めチョロチョロ、中パッパ」…
これを勝手にやり、簡単に再現してくれる。
主食たる米を、最も旨く炊ける最強アイテムを、ずっと使っていた奥方達が捨てると思うか?
否!
囲炉裏で面倒臭くなるより、竈を使う方を取るだろう。

人類共通の、「母の愛」を信じるなら…
竈一択になる。

科学の目で見ても、矛盾なし。
何せ、今の炊飯器は、そんな昔のからの「母の愛」を再現すべく進んでいる。
竈が消えるハズは無い。