ゴールドラッシュとキリシタン8…改めて、秋田のキリシタンはどんな人々だったのか

https://tekkenoyaji.hatenablog.com/entry/2020/07/21/050255

キリシタン系の話も久々に検討してみよう。
秋田において、潜伏キリシタンの方々は、どんな人々だったのか?
勿論、今までも院内銀山らの状況は、前項まででも取り上げている。

実は先に筆者は、出自が秋田由来では?と言う北海道の方から、古里がどんな場所か?口伝を元に見てきて欲しい…とのリクエストに答えた事がある。

https://twitter.com/tekkenoyaji/status/1294962675672166401?s=19

湯沢市の奥の方…
お盆時期でもあったので、その地区一帯の墓所を現地の方に尋ねながら数ヶ所回ってみた。
結果的には、驚く事になった。

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写真の様に、円空の位置に「心」が彫られた墓石が、一地区に1~2残されていた。

https://tekkenoyaji.hatenablog.com/entry/2020/07/04/134140

この通り、主に禅宗では、戒名の上の位置…これを円空と言い、「○」又は「空」を彫る事はあるが、「+」や「心」は彫らない。
つまり、キリシタン墓では?と考えられる由縁である。
写真の右が「空」で左が「心」だから解り易いだろう。
他県だが…
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この様に「+」、さすがにこれは事情ありと考えても良さそうではあるが。

https://twitter.com/tekkenoyaji/status/1295117138751975424?s=19

同日訪問の「稲庭城」であるが、院内に近い事らから、この一帯にもマリア観音らが残されており、状況的には潜伏キリシタンが存在しても違和感は無いのだが。

ただ、特筆すべきは、お墓は綺麗に守られている事。
試しに、ある地域の墓所で、お墓参りの方がいたので、キリシタン伝承はありますか?と聞いてみた。
即答で「聞いた事が無い」と答えた。
が、その方がお参りしている後ろに「心」が彫られたお墓があったりする。

他の方々と一緒に弔いされているんだよ…
と、またお墓が教えてくれたと感じた。
特別、辺に扱われた訳ではない、
奇異な扱いをされた訳でもない、
溶け込む様に静かに暮らしてきたのだろう。

いや、一歩踏み込めば…
ポツンと一基だけ離れた様なお墓でも、綺麗なのだ。
自助共助公助なんて言葉が出回っているが、村の一員として、村の為に尽くした実績があるからこそ、訪れる身内が減ったであろう今でも、今でも地域の人々が、先祖参りの折りに一緒に拝んだり綺麗にしているのかな…
そう思わせる光景だった。
村の人々にとってはリスクは有ったハズ。
だが、実際にはこんな感じなのだ。

筆者にすれば、墓所も色々な教訓を与えてくれる学びの場。
勿論、ご先祖方への敬意を忘れてはいけない。
興味本位でずけずけ入って良い場所ではない。
そこは踏まえねばならないと考える。

秋田における、現実の潜伏キリシタンの方々って、こんな方々だと思う。