滅多にやらぬ遺伝子の話…「酒に強い」のは円筒土器文化圏?、と言うことは?

https://tekkenoyaji.hatenablog.com/entry/2021/12/14/191435
https://tekkenoyaji.hatenablog.com/entry/2020/05/12/103223
忙中閑あり…ではないのだが、この項は気楽に見て戴きたい。
滅多にやらぬ遺伝子レベルの雑談。

さて、SNS上で話をさせて戴いた中にこんなものが…
お酒の強い遺伝子をもつ都道府県別ランキングだそうで。
https://getnews.jp/archives/3217933

一位 青森
二位 沖縄
三位 岩手
四位 秋田
五位 山形
六位 宮城

だそうで。
沖縄を除けば、ほぼ東北六県が上位を占め、それに北陸勢と北関東が続く。
近隣、北海道が十二位、福島が十三位。
下位は奈良や岐阜、和歌山、宮崎。
割と畿内〜東海付近か。

さて、雑談。
たまたま筆者は、某衛星TVで、「酒の知られざる真実」を見ていた事を思い出した。
https://www.nhk.or.jp/special/plus/articles/20200127/index.html
基本的に動物は「酒」を飲まない。
では何故、人類のみ「酒」を飲むのか?について解説していた。

①周囲の大型動物に対して脆弱な人類の祖先は餓えをしのぐ為に、発酵食を食える様にアルコール代謝能力を進化過程で身に着けた。

②農耕開始や人が集団化した事により、コミュニケーションの為に酒を使い始めた事で更にアルコール代謝能力を高めた。
そして蒸溜酒まで手に入れる。

③水田耕作開始と共に低地に降りたアジアの祖先は微生物や病原菌と戦う脅威にさらされだした。そこで身に着けたアルコール代謝能力を低下させ、分解過程で発生したアセトアルデヒドを対生物兵器として利用する為にアジア人ではその能力を下げた。

最近の研究では、酒と人類の関係はこんな感じらしい。
当然、酒の強い,弱いは父母からの遺伝で概ね決まるであろう事は想像に易しい。

さて…
https://tekkenoyaji.hatenablog.com/entry/2020/06/10/052507
古い論文ではあるが、割と納得がいくものかと思う。
骨格からみれば、父母が出会う頻度が、そのまま遺伝子を繋ぐ確率に繋がるであろう事もこれまた想像に易しい。
まぁ、父母が出会って×××しなけりゃ遺伝子は引き継がれないので、当然より地理的に近い方が出会う機会は多い。

北では北方から南下、南では大陸,半島から東へ。
https://tekkenoyaji.hatenablog.com/entry/2020/12/05/135443
そんな移動痕跡はあちこちあるし、何せ「オホーツク文化」も北方からの流入と考えられる。
まだ国家の概念なぞ無い時代、より住みやすく、より多くの食料を得られる場所に移動するのは当然だろう。
人の流入は当然だろう。
それに結婚,出産で混雑していくので、いきなり大量流入する必要もない。
大量流入があるなら、ある突然から一気に文化が変わるだろう。
だが、弥生文化の形成すら時をかけて少しずつ変わったものとなりつつある。
https://tekkenoyaji.hatenablog.com/entry/2021/10/21/194535
そうでなければ、文化グラデーションなぞかかりはしない。

地理的に人の流入からもっとも離れた地域、これが最も混雑し難いので、それ以前からの能力のまま維持される。
https://tekkenoyaji.hatenablog.com/entry/2020/05/31/064811
つまり、円筒土器文化圏の地が、もっとも大陸から遠く且つ他との混雑が少ない地域ならば、酒に強い遺伝子をより多く持つ事に…
割と筆者的には納得。

北海道?
まさか明治の開拓使流入した人々へフィルターをかけられるものでもないし、むしろ道南の人々が強いであろうし、北方からの流入者がアルコールに強いか弱いかを先に調べる必要はあるだろうから、筆者には解りません。
まぁ江戸中期での松前蝦夷地の人口は50:50。
そう言えば…
バテレン報告では、蝦夷衆は多少飲んだ程度では酔わなかったとあったハズだが、明治以降は酒に強い感じは無い。
これもそのうち再度見つけてみようと思う。

因みに、筆者の家族の殆どは、アルコールパッチテストでは「多少赤くなる」又は「全く変化無し」なので、円筒土器文化圏の血を引くのか。
「酒は命の水。美味しく楽しむべし」が家訓である。