「ゴールデンロード」あとがき…金売吉次の様な存在が必要だった!

別の内容から急遽変更である。
金売吉次」と言う人物を知っているだろうか?
平安後~末期に、京の都で「奥州の金」により、種々商売を行った伝説?の商人。
源義経と交流があり、義経都落ちの際同動し、藤原秀衡に引き合わせた人物。

と、言っても我々としては、その人物が実在したか?なぞ論じる必要は無い。その様な「奥州の金を扱い、商いをした存在」さえ解ればそれで良いのです。
この人物は、名を替え四種位の古書に登場する。つまり、奥州以北の金で決裁し、都の物品を奥州に持ち込めた人(々)が存在したと言う事。これは…
奥州藤原氏の「金」は決裁に使った
②都や源平含めた施政者層は、それを知っていた
源平合戦の際、奥州藤原氏が「動かず」眺めて居られるだけの力を持ち得た…それは源頼朝源平合戦の際、上洛出来ない理由になり得る
④当然、側近の北条氏も、そんな事は周知の事実だった…

この程度解れば十分。
藤原秀衡の辺りで奥州の戦力は十七万騎と言われたらしい。
そして、その戦力を統べるリーダーが、都で膨大な金で商売=財力を持った人物ならば?
下手に手出ししたら、挟み撃ち食らうだけですね。
当然、代替わりの際、内紛工作の上で戦うのが、常道。
それで潰した後で財力を入手した方がマシですわな。奥州藤原氏は単なる田舎豪族ではなく、兵力も財力も兼ね備えていると、都に周知されていた…これが必要なピースでした。

ゴールデンロードは、奥州藤原氏により、確実に京の都迄到達していた…と。

さて、藤原泰衡が味方の裏切りで討たれた…
皆さんが、鎌倉幕府ならどうします?
「金」の利権を奪いに行きますよね。
こうなれば、ちゃんとした理由に成り得るのです。
二代将軍源頼家が「大野土佐日記」の様に、北海道の金探索を命ずる理由も、敵対してきた二代執権北条義時が私的役職「蝦夷官領」安藤氏を奥州~蝦夷へ送り込む理由も出来上がる。

仮説程度なら、これ程重要な視点は無い。
奥州藤原氏の「金利権」を奪う事。
これなら、何故奥州藤原氏の一部が北海道へ向かったか?理由にもなりますよね。
自身の利権を守る為…

歴史は全て、その時々の「必然」で動く。
それ以上でもそれ以下でも無い。