2022-01-01から1年間の記事一覧

生きてきた証、続報40…米の炊き方,土器変容,竈の地域性らから見た中世の竈の存在の可能性

https://tekkenoyaji.hatenablog.com/entry/2022/10/06/202938 さて、「中世、竈はあるか?」…このテーマも40項。 最近の研究知見を混ぜていこう。 まず、きっかけはこちら。 https://www.pref.tottori.lg.jp/263233.htm 鳥取県のHPより「謎のかまど~「湖山…

これは何を物語るのか?…地方研究にある「不思議」二題

https://tekkenoyaji.hatenablog.com/entry/2022/11/28/205257 一応、性質上、これを前項とするが… 地方史書や研究文献を読んでいると、たまに「え"??」と思うものはある。 概ねそれは伝承レベルの話で、裏付けはないのでそこで止まる。 だが、中には、科学…

羽黒山「蝦夷館」とは?…立地らに対する考察の備忘録

https://tekkenoyaji.hatenablog.com/entry/2020/05/21/052745 先に筆者は「羽黒山」へ。 https://tekkenoyaji.hatenablog.com/entry/2022/11/14/194659 妙にポツポツ出羽三山の話が出てくるからである。 「出羽三山史」によれば、出羽三山は古来東北の総鎮…

国家規格の「製鉄炉」とは?…相馬地方の製鉄遺跡群を学ぶ

https://tekkenoyaji.hatenablog.com/entry/2022/10/10/071915 さて、北東北の製鉄炉跡に対して、当時国家規格だったとされる「箱型炉」とは? 前項でも書いた様に、箱型炉は南東北迄しか伝搬しておらず、北東北にあるのは「元慶の乱」以降拡散した「縦型炉…

東北最古の「金銀銅」処理の痕跡…そして、何故その立証が困難なのか?

https://tekkenoyaji.hatenablog.com/entry/2022/04/15/190213 こちらを前項とし、関連項は、 https://tekkenoyaji.hatenablog.com/entry/2022/11/24/204137 https://tekkenoyaji.hatenablog.com/entry/2022/11/23/192410 https://tekkenoyaji.hatenablog.co…

防御性環濠集落の行き着く先−2…陸奥安倍氏の居館「鳥海柵」とは?

https://tekkenoyaji.hatenablog.com/entry/2022/11/23/192410 前項に続き、今度は奥六郡俘囚長安倍氏の「鳥海柵」を。 「国指定遺跡 鳥海柵シンポジウム −資料−」 より。 これが立地。 北上川と胆沢川で侵食された段丘で胆沢川を挟み「鎮守府胆沢城」と向い…

防御性環濠集落の行き着く先−1…出羽清原氏の居館「大鳥井山柵」とは?

https://tekkenoyaji.hatenablog.com/entry/2022/04/15/190213 https://tekkenoyaji.hatenablog.com/entry/2020/07/18/074550 これらを前項として。 さて、概ね10~11世紀、主に北緯40度線以北に顕著な構造物「防御性環濠集落」。 勿論、それ以前に東北には「…

対岸の状況はどうだったのか-3、あとがきの後日談…「姓氏家辞典」にある安藤氏、そして「修験道、日蓮宗、九曜紋」と言うキーワード

https://tekkenoyaji.hatenablog.com/entry/2022/11/11/210211 前項を受け、牡鹿半島周辺の中世から学び直そうかと筆者は岩手県南部域をふらりと訪ねてみた。 ちょっとそこから今まで欠落していたキーワードがポロポロ出てきたので報告したい。 ①牡鹿半島周…

対岸の状況はどうだったのか-3、更にあとがき…「稲崎袰崎神社の板碑」と安東(藤)氏の関係、そして…

https://tekkenoyaji.hatenablog.com/entry/2022/11/10/210623 前項で割愛した板碑の件も、展開が面白いので少し触れよう。 https://tekkenoyaji.hatenablog.com/entry/2022/10/15/204214 安東氏の宗教感は以前も報告済。 紀年遺物らや時宗過去帳らからみれ…

対岸の状況はどうだったのか-3、あとがきのあとがき…なら、「蠣崎蔵人の乱」の捉え方は?

https://tekkenoyaji.hatenablog.com/entry/2022/11/09/211342 この際である。 中世と言えば、https://tekkenoyaji.hatenablog.com/entry/2021/10/26/204942 「蠣崎蔵人の乱」も。 野辺地町史での捉え方はこんな感じ。 では、田名部に程近い東通村史では? …

対岸の状況はどうだったのか-3、あとがき…「浜尻屋貝塚遺跡」に暮した人々は?を「東通村史」に学ぶ

https://tekkenoyaji.hatenablog.com/entry/2022/11/05/204149 あとがきとして「東通村史」から、「浜尻屋貝塚」の人々がどんな暮らしをしていたのか?を続けてみよう。 と、言うか… https://tekkenoyaji.hatenablog.com/entry/2021/03/29/125457 https://te…

対岸の状況はどうだったのか-3…東通村尻屋崎「浜尻屋貝塚遺跡」に眠る安東氏の痕跡、そして…

https://tekkenoyaji.hatenablog.com/entry/2021/10/21/194535 https://tekkenoyaji.hatenablog.com/entry/2021/10/25/061606 北海道対岸の青森に関しては、野辺地や波岡を十三湊に続き紹介してきた。 さて、なら持っと近い津軽半島や下北半島ならどうか? …

これが「余市の石垣」…現存している石垣を確認

https://tekkenoyaji.hatenablog.com/entry/2020/05/01/164447 これが前項。 余市は茂入山の石垣、この話をしてから約3年になる。 何度か相互フォロワーさん達がアタックして、筆者もこの通り。 https://tekkenoyaji.hatenablog.com/entry/2022/07/15/203950…

民族運動第1世代との差異は何か?…現代「その血を引く人々」の発言ついての備忘録

https://tekkenoyaji.hatenablog.com/entry/2022/05/27/205924 https://tekkenoyaji.hatenablog.com/entry/2022/05/25/212430 一応、備忘録として。 https://tekkenoyaji.hatenablog.com/entry/2020/05/01/151154 我々はアイノ推進法制定に疑問を持ち、なら1…

修験鍛冶についての備忘録…刀工衆「月山」の存在と古代製鉄への疑問

https://tekkenoyaji.hatenablog.com/entry/2022/10/10/071915 ふと疑問になった事を備忘録として。 https://www.city.yurihonjo.lg.jp/bunka-sport/bunka/c1337/13390 筆者は、由利本荘市岩城町の「亀田城佐藤八十八美術館」で行われた「日本刀展」を見学し…

折角だから、9世紀前葉以降最大規模の反乱を復習してみよう…「元慶の乱」とはなんだったのか?

https://tekkenoyaji.hatenablog.com/entry/2022/10/19/054652 そう言えば「元慶の乱」についても「火山灰考古学と古代社会」では、9世紀前葉以降の「俘囚や蝦夷の最大規模の反乱」と紹介している。 元慶の乱とは? https://tekkenoyaji.hatenablog.com/entr…

大災害が起こった時、人はどう行動するか?…平安期の「十和田噴火,白頭山噴火」が住む人々へ与えたインパクト

https://tekkenoyaji.hatenablog.com/entry/2020/12/21/144647 こちらを前項として。 今迄も災害考古学,地質学らを含めて、大災害について学んできている。 https://tekkenoyaji.hatenablog.com/entry/2021/04/27/052730 https://tekkenoyaji.hatenablog.com…

津軽,秋田に残る金石造文化財…紀年遺物に刻まれた安東氏の宗教観

https://tekkenoyaji.hatenablog.com/entry/2022/10/02/183834 安東氏をもう少し掘り下げてみよう。 宗教についてである。 関連項はこちら。 https://tekkenoyaji.hatenablog.com/entry/2020/10/19/073435 何故か「生きていた証」、竈の話だったりする。 さ…

末期古墳,蕨手刀,須恵器が示すもの…その物流ルートと人的,文化的移動ルート

https://tekkenoyaji.hatenablog.com/entry/2022/06/29/105815 https://tekkenoyaji.hatenablog.com/entry/2022/07/14/211625 https://tekkenoyaji.hatenablog.com/entry/2022/07/15/103840 弾丸ツアー報告や周辺のテキストで、擦文文化の末期古墳らについて…

鍋について学んでみる…その東北,関東における起源と変遷

https://tekkenoyaji.hatenablog.com/entry/2022/06/17/190904 「鍋・釜」を前項とする。 先日、SNS上、内耳鉄鍋らについて話が出ていた。 敢えて筆者は参加しなかったが、折角なので「鍋」について纏めておこう。 https://tekkenoyaji.hatenablog.com/entry…

改めて「古代製鉄」を学ぶ…岩手県立博物館「古・岩手のクロガネ」に見る東北の古代製鉄炉、そして「北海道の矛盾」

https://tekkenoyaji.hatenablog.com/entry/2021/05/21/194450 今回は「古代製鉄炉」を学んでみよう。 これは2度のフィールドワークからの情報収集による。 7月に釜石の「鉄の博物館」,「釜石市郷土資料館」、そして今回の「岩手県立博物館」である。 古代製…

生きてきた証、続報39…古より伝承される「霜月神楽」に竈はあるか?

https://tekkenoyaji.hatenablog.com/entry/2021/11/15/105131 久々に「竈探し」である。 関連項はこちら。 https://tekkenoyaji.hatenablog.com/entry/2022/06/17/190904 秋田県には古代から続くと伝承される伝統芸能は、知る限り3つ。 ・鹿角の「大日堂舞…

最新刊ではどうか?…「奥羽武士団」に記述される「陸奥安東氏&出羽秋田氏」

https://tekkenoyaji.hatenablog.com/entry/2021/02/05/192830 https://tekkenoyaji.hatenablog.com/entry/2021/02/05/233328 https://tekkenoyaji.hatenablog.com/entry/2021/10/02/083230 https://tekkenoyaji.hatenablog.com/entry/2022/01/27/092649 htt…

「聖地」平取町は農耕が早い…平取町史にある近代初期の姿

https://tekkenoyaji.hatenablog.com/entry/2022/01/11/173848 SNS上で少し話が出たのでこの際。 鵡川の畠跡。 以前からポロポロと平取は農耕が早いと言ってはきたが、纏めて来なかったので敢えて。 近代以降は敢えてあまり触れてはいないが… 聖地平取と言え…

蝦夷衆交易の目的地「大なる町アキタ」…この際、ルイス・フロイス書翰も見てみる

https://tekkenoyaji.hatenablog.com/entry/2022/09/22/203708 「秀麗無比なる鳥海山よ」… 秋田県民歌の出出しである。 ウィキより… 「石井歓作曲の吹奏楽と混声合唱による『大いなる秋田』の第3楽章【躍進】では1、2番が混声4部合唱として挿入されている。…

「ainomoxori」の初見は?…それを記事したのは「イグナシオ・モレーラ」 ※追記有り

https://tekkenoyaji.hatenablog.com/entry/2022/09/21/134039 せっかく初めて北海道へ渡った西洋人を取り上げたので、この際、初めて「アイノ」に類する言葉を使った人物にも触れよう。 アンジェリス神父が書いた地図にも記載があるが、最初にそれを記事し…

「アイノ文化の献酒方法」?、実は…蒲生レオン氏郷から酒を給されたのは誰か?

https://tekkenoyaji.hatenablog.com/entry/2021/01/05/134926 https://tekkenoyaji.hatenablog.com/entry/2020/09/28/194019 ちょっと南部氏絡み? 中世南部氏の居城「聖寿寺館」の工房跡にアイノ文化に通づるらしい痕跡があるのは概報。 工房では中柄やシ…

この際アンジェリス&カルバリオ神父報告書を読んでみる、あとがき…時空を並べ直してみよう

https://tekkenoyaji.hatenablog.com/entry/2022/09/20/202558 さて、3通の書簡を取り上げてみた。 3通目でアンジェリス神父は、蝦夷国は島であると見直しをかけている。 昨今、時空のシャッフルがされていると言い続けているので、あとがきとして並べ直して…

ゴールドラッシュとキリシタン-32…この際アンジェリス&カルバリオ神父報告書を読んでみる③&まとめ

https://tekkenoyaji.hatenablog.com/entry/2022/09/18/200305 さてでは、3通目。 アンジェリス神父のニ通目で1621年となっている。 これは、アンジェリス神父が二度目の渡道後、イエズス会の日本準管区の上層部から詳細報告を要求されて書いたもの。 この時…

ゴールドラッシュとキリシタン-31…この際アンジェリス&カルバリオ神父報告書を読んでみる②

https://tekkenoyaji.hatenablog.com/entry/2022/09/15/194055 さて、続き。 今度はカルバリオ神父の報告書になる。 これは1620.10.21の日付。 また、地理や人々の様子らに特化して引用してみる。 一応… 我々は以前から別の書物で「カルバリオ」だった為にそ…