ゴールドラッシュとキリシタン10…「五城目町史」に見るキリシタン風習

https://tekkenoyaji.hatenablog.com/entry/2020/09/11/174246

「北海道~東北の関連史」の観点では、「宗教」は抜く訳にはいかない。
が、北海道としての痕跡は少ない。
今回も、秋田での風習をたまたま掘り下げたので、何らかの参考にして戴ければ幸いである。


五城目は鉱山地帯の阿仁方面に越える道筋にあるので、キリシタンも早く入った地域と考えられるが、この分野の研究は今まであまりされていない。今日も郷土のしきたりとして残っているものに「隠れ切支丹」のそれと思われるものが四個ある。」

「①門松として母屋の入口の上に、小さな松の枝をうちつけるが、三つ又槍のように分かれたものを選ぶ。十字架の意味を持たせたものであろう。」

「②仏壇にいつも魚を供える。そのためには出費が多いので、木彫りのフナで代用したりする。キリストの奇蹟から考えたものか。魚藍観音をマリアにしている場合がある。」

「③仏壇の奥や裏に十字架の模様や装飾がある。」

「④マリア観音をまつる。~中略~この村は阿仁へ越える宿場であった~後略」

五城目町史」 五城目町史編纂委員会 昭和五十年三月三十一日 より引用…


さすが五城目、古代ならある古い町。
中でも、さすがに「魚」を仏壇に供える風習は、「マジか…」と言わざるを得えない、
知る限り、秋田市や同じ南秋地区でも、聞いた事はない。
が、北海道某地域では必ず仏壇に、木彫りの熊と鮭が有りますよ…なんて話があれば驚愕するしかないが。


とは言え、仮にそんな話があろうとも、驚く事も無いのだろう。
こんな風に歴史を学び初めて、普通にその辺に、ひっそり暮らしてたのを学んだら、特別な事はないのは解った。
変にフィルターをかけ、奇異なものと考える必要もない。文化編纂の指標と一つと捉えれば良いのだから。
先祖にそんな方が居たとしても別に奇異な話ではない。

もう、禁教令は無い。
そこに居た先祖達は、少なくとも宗教より地域コミュニティを優先し、共存していたのだから。

さぁ、北海道でもキリシタン痕跡を探して戴ければ。
人口インパクトを考えたら、相当数痕跡はあるハズだ。