https://tekkenoyaji.hatenablog.com/entry/2023/07/06/201803
さて、続けていこう。
次は「平取町」である。
何せ、時間が取れたのが月曜から…多くの博物館,資料館はやってないので主テーマに関わる場所は閉館中。
白老方面へ行くのも、翌日の負担。
なら途中でやっている所を…
多分、古くからのフォロワーさんにすれば意外な場所だろう。
何せ筆者はアイノ文化に興味が無いのは知られた話。
アイノ文化に至るプロセスに興味があるだけ。
ならね、テーマを設定すれば良いだけなのだ。https://tekkenoyaji.hatenablog.com/entry/2020/05/17/070913
以前からずーっと言ってきているが、「アイノに系展示物に古そうな物はなく、大量の漆器がある」だ。
なら、直接「何時頃の物なのか?」を聞いてみれば良いのだ。
第一弾でも、
https://tekkenoyaji.hatenablog.com/entry/2022/07/14/211625
聞いてはいる(考古学の方)が、明確な答えはなかった。
なら、ガチ系の展示を見ながら問えば良いのだ。
と言う訳で、展示を見ながら、その辺に居た館員さんに聞いてみた、「古そうな物が見当たらないが、何時頃の物なんですか?」と。
即答だった。
「昭和30年頃迄に使用されていた物を萱野茂氏が収集し、それを平取町立二風谷アイヌ文化博物館と萱野茂二風谷アイヌ資料館に分けて展示しているので、そんな古い物はありません」…以上。
何の位迄遡れるのか?には、
「はっきりは解らないが昭和の物が殆どだろう」…以上。
幕末や明治の物は?
「収蔵庫には原型を留めない様な物もあるが、何なのか解らないしそれ以上の劣化は不味いので出していないし、そこまでの物があるかは解らない」…以上。
誠にアッサリ回答戴けた。
「萱野茂コレクションである」以上、古いものは無いのである。
と言って、ここで終わってしまっては、古いフォロワーさんは納得しないだろうから、少し考察。
トンコリに…
ムックリ…
https://tekkenoyaji.hatenablog.com/entry/2021/09/26/174417
https://tekkenoyaji.hatenablog.com/entry/2021/09/27/202733
https://tekkenoyaji.hatenablog.com/entry/2021/09/28/203440
この辺を押さえておけば、瞬時に判断出来るだろう。
トンコリもムックリも、元々本道のアイノ文化ではなく、樺太の文化を構成する物。
少なくとも「観光要素」でお土産品らとして作る事が広まったもの。
これらがある段階で観光要素が混じってしまった後であると判断可能だろう。
https://tekkenoyaji.hatenablog.com/entry/2022/05/25/212430
https://tekkenoyaji.hatenablog.com/entry/2022/07/19/204031
筆者個人的感想としては、もう観光と学術の境目は解らなくなっていたのかな…と思うので、さもありなん。
で、今回は、
平取町立二風谷アイヌ文化博物館以外にも、厚真町軽舞遺跡調査整理事務所、翌日行った様似郷土館でも同様の事をたずねている。
・昭和の物が××コレクションとして寄贈されている。とくに一箇所では昭和30年代位のものと教示戴けた。
・よって、古い物は無い。大体が昭和のもので、古そうな物は収蔵庫保管で、展示出来る様な原型を維持していない。
この辺迄はスタンプの様に同様の回答だった。
で、一箇所で更に教示戴く。
・昭和30年の熊送り禁止の通達により、それを止めるに当り使わなくなった物がコレクションされた。
・幕末の物があるという話は聞いた事はあるが、見た事はない。
だが、それを証明するのも難しいかも知れず、確実に明治の物と言える物がそれは非常に古い方になり、一般には昭和、大正なら古い方。
・トンコリの写真の右にある「うろこ彫り」は、伝統工芸要素が高まった昭和30年代に導入された。イクパスィらでもこれが入る入らないで、古いか新しいか?区別可能。(この時、入らないものを見せて戴いた)。
以上である。
なので、観光要素導入らでアップデート(?)されたものが展示されており、幕末~明治に古絵図らに書かれたものを見たくても、それは不可能なのだ。
勿論、
https://tekkenoyaji.hatenablog.com/entry/2020/09/21/123150
種痘でご褒美としてばら撒かれた漆器らも見る事は出来ない。
あっても原型を留めていないのでムリ。
それにチセと言っても、
https://tekkenoyaji.hatenablog.com/entry/2021/05/23/194902
コレクションの主である萱野茂氏が、昭和26年頃に自分の家を、「昭和30年前半からの」環境の高まりから再現を始めた…と、自ら語るのだから古い物は無い。
以上迄が報告である。
古い物は無いし、これには明確な理由があった。
さて、どうだろう?
どう感じるか?は読んで戴いた方次第。
では、筆者の個人的感想…
ぼーっと移動しながら思った事だ。
文化論と血統論がごちゃまぜされてないか?とふと。
文化継承が目的なら、青い眼やアフリカンの継承者がいるのもあり得る。
血統論が目的なら、無理に観光要素を入れて変容させる必要は無く、個人的な誇りだけで良いだろう。
漠然とぼーっと…
まぁ、筆者はあまり興味がない。
今迄も深みを感じなかったのも、新しいものだったから…これを知れれば、筆者的には目的達成である。
では、次へ…